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BDSP(ダイパリメイク)感想・総括

 

■BDSP(ダイパリメイク)について

ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』

ポケットモンスター シャイニングパール』

発売:株式会社ポケモン

販売:任天堂株式会社

制作:株式会社イルカ

ディレクション増田順一(株式会社ゲームフリーク)、植田祐一(株式会社イルカ)

対応機種:Nintendo Switch

発売日:2021年11月19日(金)

 

公式サイト↓

www.pokemon.co.jp

 

2006年に発売されたポケットモンスター ダイヤモンド』『ポケットモンスター パールダイパ)のリメイク作。BDSPブリシャイなどとも略されます。

これまで「ポケットモンスター」シリーズは、すべてゲームフリーク(ゲーフリ)が制作していましたが、今作は始めて外部の会社に制作を委託して開発されました。

2014年に、『ルビー・サファイア』(RS)のリメイク作、『オメガルビー・アルファサファイア』(ORAS)が発売されており、順番的にはルビサファの次のダイパがリメイクされるだろう、とずっと期待されていた上での発売でした。

直近の「ポケットモンスター」シリーズは、2019年発売の『ソード・シールド』(剣盾)です。2020年は「ポケットモンスター」シリーズの新作発売はなかったため(剣盾追加コンテンツは出た)、2年ぶりの「ポケットモンスター」シリーズでもあります。

 

■細かい感想と進捗の過去記事

思いついたことをメモりながら進めた進捗日記はコチラ。今回の感想文の内容は、過去の感想メモと被る部分もありますが、ご了承ください。

bitouroupoki.hateblo.jp

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※今回の感想文は、記事全体で1万5千字ほどと、そこそこ量があります。

 

 

 

■作品全体の感想(ざっくり)

中古でプラチナ買おうぜ。本当にどうもありがとうございました。

 

いや~、リメイクの発売が発表された時は、プラチナ要素どうなるかな…とか、昔と変わる部分とか追加は何かあるかな…とか考えてましたが、そういう次元ではない。ゲームとしての根本的な完成度が低いモノが出されるとは…。ちょっと想定外でした。思わぬ方向から殴られた感じ。

たぶん今作、まともにデバッグされてないでしょ??公式が「実はちゃんとデバッグできてませんでした、なはは。」みたいに発表する可能性は限りなく低いので、あくまで推測ではありますが、状況証拠的に考えて*1、開発が間に合っていなかったのは明らかだと思います。

細かく見れば、いいなと思える変化もあるんですが、それ以上にダメな部分が多すぎです。他人に勧めたいとはまず思えない。中古でプラチナを買った方が100倍マシです。

 

以下、細かい指摘。

 

■挙動がおかしい・遊びにくい・クオリティが低い

まず、発売後にバグがいろいろ見つかるのは、ある程度しょうがないと思います。プレイヤー人口も多いし。データが破損するようなものとか、無いに越したことはないんですが、ゼロには出来ないと思う。自分は今のところ、そのような重大なバグに遭遇したことはないので、どの程度の確立で起こるのかなどはわかりませんが、そこまで気にしません。

 

今作は、バグというか、挙動がおかしい部分が多すぎて、とてもストレスが溜まります。無理やり「これは仕様です」と押し通せなくもないけど、ちょっと無理があるようなヤツ。

例を挙げると、ポケモンのまばたきのスピードが遅い、モブトレーナーと戦闘後に勝手に進行方向に向き直す、新しいアイテムをゲットした時に、持ち物リストの一番下に来ない、十字キーで操作すると勝手に進む(立ち止まらない)ところがある(段差や建物出口など)、野生エンカウントの演出がおかしい、きのみに水をあげる際に色が変わる土の数が時々違う、などなど……。

 

ボタン操作において方向転換の時にカクついたり、自転車で折り返すときに溜め(?)があるのもイライラします。本当に操作性が悪い

新しいアイテムを手に入れたときに、おニューのマークを消すためにいちいちカバンをあさるのがマジで面倒くさい…。野生とのエンカウントの前に何の演出(フラッシュ的な)がないので、突然主人公が立ち止まったように見えて、毎回びっくりします。これもどう考えてもおかしいでしょ。

 

当たり前のことを言いますが、ゲームのクオリティを評価するのに、「遊びやすさ」も重要なポイントになります。「ストレス無く快適に遊べること」は、できていても評価されにくいポイントではありますが、制作側がこだわって調整する部分でもあると思います。

実際過去の開発者インタビューでは、遊んだときの快適さの微調整に時間をかけた、というようなことを言っていたような気がします(資料が手元に用意できないので、自分の記憶を頼りに書いてます)。

操作性や挙動にイライラしないで遊べることは、ゲームを楽しむ上での基礎的な要素でもあり、大切な所だと思います。

 

それが今作は全然だめ。その時点で、ゲームとしての評価は下の下です。本当に悲しい。これまでポケモンのゲームで、ここまでバグや挙動のおかしさで出来の悪いゲームってあったか?

ポケモン以外のゲームで、これデバッグ間に合わなかったんだな…と察したゲームをやったことはありますが、ポケモンはその辺りクオリティを大事にしてくれると信じていたので、裏切られた気分です。

 

なお、開発が外部の会社であることは、この出来の悪さにそこまで大きな影響はしていないと考える派です。だって開発担当って、立場的には下請けのような感じじゃないんですかね?下請けだとすれば、開発側の問題ではないと思います。発売日やスケジュールの権限があるのは、大本のゲーフリとか株ポケとかにあるはずだと思うし。ゲーム開発の現場についてはよく知らないので、あくまで憶測ですが。

開発期間さえ取れていれば存在しなかったでしょ、という問題が多すぎてつらい。本当に容易に避けられた、予測できた問題でしょ?どうしてこうなった…。

バグだらけでも楽しめればいいじゃん、みたいなのも見苦しくて見ていられないですね。ゲームに問題があるという事実を直視できないの、気持ちはわかるんですが…ちゃんと向き合えた方が健全だと思います…。

 

■リメイクで変わってほしかったところが変わってないじゃん

今作は一応「リメイク」作品ではありますが、発売前の印象通り、「リマスター」的な立ち位置に近い作品になっているように思います。なにせ、これまでのポケモンリメイク作とは異なる部分が多い。

 

過去のリメイク作は、以下の通り。

赤・緑』→『ファイアレッド・リーフグリーン』(FRLG)、『Let's Go ピカチュウ・イーブイ』(LGPE)

金・銀』→『ハートゴールド・ソールシルバー』(HGSS

『ルビー・サファイア』→『オメガルビーアルファサファイア

 

過去のリメイク作は、単なるグラフィックの変化だけでなく、登場人物の服装が変化していたり、オリジナルにはなかった追加要素があったりしました。

それがこのBDSPの場合は、まず登場人物の服装がオリジナルのままでした。ちょっとびっくり。当然変えてくると思っていたので。少し寂しい気もします。それに、「追加」といえる要素も特にないような気がします。「パルパーク」→「ハマナスパーク」は追加と言うより大幅な内容変更といった印象だし。

さらに、ダイパのマイナーチェンジ作である『プラチナ』と比較するなら、「バトルフロンティア」ではなく「バトルタワー」のみになっているところは、オリジナルより要素が減っているようにも思います(リメイクだが様々な仕様がオミットされていたLGPEという例もあるが、LGPEがちょっと特殊なのであまり比較にはならないと思う)。

 

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ということで、BDPSは、過去のリメイク作と比較して、かなり『ダイパ』(※プラチナではなく)を再現する方向性で作られていると思われます。

オリジナルに割と忠実な作品をリメイクとして出すのは、まあいいでしょう。ただ今作に関しては、遊びやすさの向上が皆無、むしろ劣化してるまであるのが致命的に問題なことがひとつ。そして、15年も前の作品なんだから、当時の"普通"の感覚をそのまま持ってきたらマズいところがあるよねという点に関して、必要だと思われる変更がなされていないところが、残念に思います。

 

変更すべきだったと思うポイント①:一般モブトレーナーの肌の色くらい、変更できなかったの?

ゲームを始めた際の主人公を選ぶ場面で、主人公達の見た目の雰囲気(肌や髪の色など)を選択できるようになっているのは、昨今の流れを踏襲しており、できて当然のラインだと思います。

主人公の人種?(ポケモン世界の人種概念については不明瞭)は現実を反映させているのに、ほかの人間キャラに関しては、黄色(白色?)一辺倒に偏ったままなのはなぜですか?

ジムリーダーのようなキャラのデザイン変更を躊躇するのはわかります(そもそも服装を含めてデザイン変更がなされていないんですが)。でも、「エリートトレーナー」とかの一般トレーナーなら、肌の色を変更してもよくない?何でわざわざオリジナル版のデザインに拘る必要があるんでしょうか。

 

ポイント②:フィールド上のNPCのセリフも、恐らくオリジナルのモノをそもまま流用しているんだと思いますが、これは変更してもいいんじゃないの?というセリフがいくつかありました。

そもそも、大半のNPCのセリフは、変えたとしてもゲームの内容への影響はほぼないと思います。また、「リメイク」なんだから、当時は無意識に行っていた偏見と向き合ういいタイミングでもあると思います(オリジナルとリメイクの制作会社が異なるとはいえ)。

にもかかわらず、かなり引っかかりのあるセリフがいくつか登場して、残念に思いました。当時の自分も正直そこまで気付いたり怒ったりできてはなかったし、昔は今ほど、慣習化した蔑視への意識も高くなかったと思うので、当時のオリジナル作に対しては、特に思うことはありません。ただ、新しく出すなら、改めてその辺りを勉強して、セリフの見直しや差し替えを行ってほしかったと思います。

具体的には、210番道路の「カフェ山小屋」の「ごっくんしてください」は、そういう"ネタ"としてのセリフだろうし、「新しい傘を買った」けど「雨に濡れると悲しい」と話す女性キャラは、あからさまに「バカな女」を描写していてひどい。バトルタワー前の男の「お姉さんと一緒にダブルバトルに参加したい」は、女性を人間ではなく属性でしか見ていないセクハラ発言だし、あときんのたまおじさん、お前もやぞ。

シリーズでおなじみだった「きんのたまおじさん」ですが、これが未だに「ポケモンでやって面白い”ネタ"」としてイケると思ってるなら、勘違いもいいところでしょ。ネタになってないので消しておくべきだったと思います。

自分も昔はこれをネタとして笑っていた時期もありましたが、今は笑えないな、という立場です。『パール』をプレイしていた当時、このおじさんのセリフを見て、なんとも形容しがたいモヤモヤした気持ちになっていましたが、当時の直感的な不快感の方が正しかったのだと思います。今になって思えば、「こういうのをネタとして笑ってこそ、正しいファンなんだ」というプレッシャーも、この"ネタ"周りの大衆の空気から感じ取って、"空気を読んで"同調していたのかなとも思います。

 

■「きのみ」が一番思い入れのあるところだったのに…

『パール』を遊んでいた当時、一番やり込んでいたのが「きのみ」の栽培でした。本当に毎日同じ時間に、自室のベッドの上で『パール』を起動し、同じルートで全国のきのみスポットを巡回していました。基本的にはソノオで交換できるアクセサリーと交換するためでしたが、結局交換し終わっても、きのみを増やし続けていました。

このやり方が最適解なのかはわかりませんが、きのみの生育時間を延長する「こやし」を毎回使用し、毎日1回同じ時間に水をあげることで、最大15個なるきのみ(カイスやドリなど)が15個できるのが、とても楽しかったような思い出があります。おかげで一部のきのみはカンストして999個まで到達していました。

 

リメイク作のBDSPも、オリジナル版と同じところに「ふかふかのつち」があったので、同じようにきのみを育てられるのかと思いきや、何か違う??

まず「こやし」がオミットされてる。何で??名前は「こやし」でなくとも、何か「堆肥」的なモノがあってもよかったのでは?と思うんですが、何でないの?

あと水やりの挙動がおかしい。基本的には1回の水やりで2カ所に水がやれるようですが、時々1回で4カ所に水がやれたり、1回で1カ所しか水がやれなかったりする。わけがわからない(バグでしょ)。

しかも水をやってグラフィックが変化するのが、きのみを植えた直後の1回のみで、その後は土が乾いたりしないの何で?土が濡れていようが何度でも水をあげられるのもよく分からない。

それと、木が陰になって、土の色がひとつ置きに異なって見えるたり、夜にプレイすると、水をあげたことを示すグラフィックの変化がわかりにくいの、ユーザビリティが悪すぎ。テストプレイしてないでしょ?

 

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毎日水をあげていて思ったんですが、そもそもきのみ育成のシステムが根本的に変わっているっぽい?一体どういう条件で、一度になるきのみが増えるのか、どうも今ひとつスッキリしない。昔はこまめに水をあげると、最大数のきのみを収穫できましたが、今回はこまめに水をあげてもその影響力が未知数な印象です。できる数にばらつきがあるし。本当にちゃんと、グラフィック通りに水あげ判定くだってんのか?(バグが多すぎて何も信用できない)

ちょっとググってみたら、きのみの収穫量について検証している動画があったので見てみましたが、どうも今作は水やりの影響が、オリジナル版の時より少ないみたい?頑張ってこまめに水をやっても、最低個数の2個しか成らないのもキツいんですけど、そういう仕様なのか…。成長に時間がかかる半減きのみ(シュカとかヤチェとか)は、できるだけ一度にたくさん収穫したかったんですが…。

 

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きのみの仕様が変更されたのは、個人的には残念なところです。予測する範囲での今回の仕様を見るに、こまめに水やりをする手間は減っているけど、逆に収穫量を増やそうとしても、増えにくい感じでしょうか。

毎日きのみの見回りをして、少し乾いた土に水をやるのが楽しかったのに…。ダイパの大きな楽しみのひとつが失われた気持ちです。何日も待って、2個しか収穫出来なかったときの悲しさよ…。

 

■地下とコンテスト

ちかつうろ」と「スーパーコンテスト」が、それぞれ「地下大洞窟」と「スーパーコンテストショー!」になりました。

「地下大洞窟」について、まずマップが変されたのはまあ、よしとします。「カセキほり」はそのまんまですね。トラップがないのも仕方ない…のか…?DSと違ってSwitch本体にマイクは内蔵されてないみたいだし…。

タマを地面に埋められないので、タマを増やすのがちょっと面倒ですね…。タマはアイテムと交換でも増やせるのが救いか。ひみつきちの模様替えも、基地に置けるのが「ポケモンの石像」だけになって、自由度が下がったと思います。石像は、置くと任意のタイプのポケモンの出現率が上がるのと、コレクション要素くらい?明らかにパワーダウンしている印象です。

「隠れ家」に野生のポケモンが出現するのは、まあアリだと思う。ゴンベやスコルピみたいな、普通に捕まえるのが少し手間なポケモンに会えるのはよい。あと、出現レベルが高いので、経験値稼ぎにもなりました。のんびり寄り道しながらストーリーを進めていると、いつの間にか地下で鍛えられてる的な。

 

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「スーパーコンテストショー!」も、大枠は同じようで、結構仕様が変わっていてびっくりしました。

まず「コンテスト技」が消えてる。最初に技を選ぶようですが、何を選べばいいのかわからない…。ORASの時は、RSと同じような仕様だったと思うんですが、何で変わったんだ…。

ダイパの時は、アクセサリーをごちゃごちゃ付けられたビジュアル審査は、ボールデコが代わりになってる感じかな?

ダンス審査の音ゲーは、まだ低ランクしかプレイしてないんですが、どのくらい難しくなるんでしょうか。低ランク帯の時点で、どのタイミングでボタンを押せば良いのか、結構迷ってますが…。無線イヤホンを使用しているせいで、音が遅れている可能性もありそう…?

コンテストに向けては、強いポフィンを作るためにきのみを増やして、広場で連れ歩けるポケモンのなつき度を上げてるところです。でもなんで、ふれあい広場で連れ歩けるポケモンを限定したんかね?広場以外で連れ歩けるなら、広場でも連れ歩けそうに思うのに…。

 

全体的に、コンテストはやれることが減っている印象です。DS版と比べ、こっちもパワーダウンしていると思う。コンテストでは使えないとは言え、「ボールデコ」自体はオリジナル版にもあったのに対し、「アクセサリー」がまるまるオミットされてる辺り、リメイク版の方が劣化してるよね。

アクセサリーを集めるのも好きで、ともかくたくさん収集していたので、これがなくなったのも地味に悲しい。

 

めちゃくちゃ前向きに考えれば、やれることが少ない分攻略も簡単になったのかな、とは思いますが、あくまでオマケ要素なんだから、別に簡単にする必要もなくない?とも思います。

オリジナル版で十分おもしろかったのに、何で要素減らしてやり込み度を下げたのか…。ダンス審査が音ゲーになったのはまだ分かるとして、アクセサリー要素の削除と、ターン性で技を選んでポイントを競う要素はオリジナル版の方が優れていたと思います。

 

■ポケッチとひでんわざ

ポケッチが画面右上に表示されるのは、しょうがないのかな…。原作を再現するとなると、ポケッチを削るわけにもいかないし…。

ただまずポケッチのボタンはプラチナ仕様にしてくれてもよかったのでは?ボタン一つの一方通行でなく、ボタン二つで右回りも左回りもできる方が明らかに便利だし、そうしない理由はないですよね?

あと、ダウジングマシンなんかは、下画面をタッチしつつ移動できるからあの仕様になっているわけで、いちいちダウジングを開いては移動して…というやり方だと不便です。

DSが2画面持ちのゲーム機であることを生かしたポケッチを、1画面しかないswitchにそのまま再現したため、取ってつけたようなアイテムになっている印象です。

 

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「ひでんわざ」を削ったのは、最近の流れとしてはわかります。「ひでんわざ用のポケモン」を用意するとなると、パーティがある程度固定されていたのが、ポケモンの面倒で不自由なところの一つだったと思います。

個人的にはその不自由さも、縛りプレイ的な感じで嫌いじゃなかったんですが、ひでんわざシステムがオミットされたはされたで、そこまで不満はないです。

ただ、ひでんわざがポケッチのアプリのひとつになって、野生のポケモンがひでんわざを使ってくれるという仕様は意味不明だと思います。野生のポケモン、便利すぎん?

 

何をどう考えても、「野生」に暮らすポケモンが、見ず知らずの人間を乗せて水上を移動したり、空を飛んで運んでくれる理由が見つかりません。だって野生のポケモンにだってポケモン自身の生活があるはずでしょ。本人のやりたいこと、やるべきことをしているところに、いきなり現れた人間の手伝いを、毎回必ず確定でしてくれるもんですかね。

ある程度理屈を通してもらわないと、違和感によってゲームへの没入感もそがれるし、世界観構築の雑さはゲームそのもののクオリティの問題にもなると思います。

「フィクションなんだから(細かいことは目をつぶればいい)」みたいな、フィクションと向き合う気のない態度は取りたくないので、説得力のある仕様を望みます。「野生のポケモンに手伝わせる」はマジで無理がありすぎると思う。

 

だいたい、そうまでしてポケモンに手伝わせる」ことに拘るのはなんでですか。そこがポケモンの世界だから?ポケモンに手伝わせた方が、ポケモンの世界っぽいから?「ポケモンの技再現マシン」とかじゃだめなの?あの世界の技術力なら作れそうに思いますが。

 

水上を渡る目的のためにポケモンを連れていくようなのは、ポケモンの手段化、言い換えれば"道具"的な存在になってませんか。ポケモンが対等な友達であるならば、何の役にたたなくても、傍に居てくれる存在であることこそが重要なポイントであると個人的には考えているんですが、ゲーフリの示すポケモンは「ポケモン(と一緒にいること)はこんなに役に立つんですよ」みたいは話が多くて解釈違いです(死)。

お前らの友達は、何かの役に立つから仲良くしてるのか?金持ちでいつもおごってくれるとか。ただ一緒に遊んだりおしゃべりしたりするのが楽しいから、仲良くしてるんじゃないんですかね。打算的な人間関係もあるでしょうが、そうでない友人・知人関係もあるでしょ。

ポケモンの能力や、それを生かすことの素晴らしさを軸にした、ポケモンと人間との関係を肯定的にとらえる態度には問題があるという立場なんですが、そういう問題意識を持った”ポケモンファン”はあまりいないみたいなので無理です。

 

公式には特に、「大半の人間(主人公含む)がポケモンと正しく共生している世界」で「生きたポケモンに冒険を手伝わせる」ことについて、今一度その理由と理屈について考えてほしい。

ポケモンを道具扱いする人間」が悪人として登場するのはいいんですけど、制作側が無意識にポケモンを道具としてみなしているのが透けて見えるのがキツい。いかにこの世に生きる我々全員が、文化・慣習的に「非人間生物」を見下すよう教えられ、学んできたのかを自覚せず、その内面化した偏見のままにポケモンを描写している問題に、そろそろ向き合ってほしいです。

 

■2頭身グラフィックはまあ…

初見でみんなびっくりした2頭身グラフィック。自分はまあ慣れましたが、何でそうしたの??という気持ちは拭えません。

 

例えばLGPE(ピカブイ)の場合、グラフィックの頭身が、その直前に発売されたSM/USUMよりもデフォルメ気味で低いのは、LGPEの作風的にアリだと思いました。ポケットモンスターシリーズや、ビデオゲーム自体にそこまで馴染みのない層向けの、明るくカワイイ雰囲気的な感じで。ORASも、グラフィックの傾向はXYと似たような作りになっているので納得できます。

 

でも剣盾の後に出すゲームで、3DCGで、2頭身ってどういうことでしょう?ダイパリメイクは、「ポケットモンスターシリーズ」を過去にも遊んでいるような人達向けだと思うので、「剣盾」の路線を期待されていたと思うんですが…。

元のマップが、マス目状のカクカクしたものなので、これをリアル寄りの頭身のキャラが違和感なく歩き回れるようにリメイクするのは、確かにちょっと手間だとは思います。でも時間をかければやれないことはないよね?発売まで時間がかかってもいいので、そういうリメイクを作るべきだったんじゃないですか??

2頭身的なリメイクを出すなら、下手に3DCGにするのではなく、例えばドラクエ3のリメイクみたいにHD-2D技術とかでやればよかったのでは?そうすると、バトルシーンもドット絵になるだろうけど、3DCGのポケモンや人間キャラなら、既にほかのゲームでも見ることができるので、そこまで3DCGに拘ることもないと思うんですよね…。

あと個人的にドット絵が好きなので、また公式がポケモンドット絵で描写してくれるなら嬉しいです。ドット絵はいいぞ。

 

それと、フィールド上で2頭身なのはまだわかる。2頭身のキャラにカメラがアップで寄るのも、一応許容範囲です。でもイベントシーンくらい、高い等身のキャラでやったら??ORASの時は、伝説のポケモンが登場するシーンでは高い等身での描写でしたが??

 

2頭身なのはもういいとして、十字キー操作でも斜め移動できたらよかったのにね、と思います。ORASではできたぞ(ORASは3頭身くらいだが)。

NPCキャラの移動も、なぜか斜め移動を頑なに拒否しているのはなぜ。ドットグラフィックなら問題なくとも、今回のグラフィックでやられると変な感じです。

 

■よかったところ

ここはよかったな、と思うところは一応あります。バグや挙動のおかしささえ無ければ、このよかったポイントで、そこそこいい評価ができていたかもしれないと思うくらいにはあります。

 

まず、きのみの木のグラフィックが細かく描写されていたのが嬉しかったです。木のディティールがより鮮明になっていたり、それぞれのきのみの色や形がフィールド上の木から確認できるようになっていて、きのみに対する解像度が上がっていて嬉しい。

主人公の着せ替えですが、セット売りで自由度が低い分、図鑑上のグラフィックやメニュー画面の鞄など、衣装に合わせて細かい部分の変化があるのがよい。あと普通に衣装がかわいくて好きです。

戦闘カットイン時における、トレーナー達のモーションがよかった。特に一般モブトレーナー達の動きに工夫や個性が光っていて、とても面白かったです。

ボールデコも普通に楽しいです。デコ内容を確認する際に、登場モーションを一時停止できるのが地味にありがたい。あとボールデコを登録したポケモンをボックスに預けることができてよかった…。

 

BGMも相変わらずよかったです。原曲の雰囲気から、そこまで大きく変わってない感じかな?夜になるとBGMが夜版になって雰囲気変わるのもやっぱ好きです。

BGMが無料で聞けるサイトがオープンしたようですが、そうじゃなくて、サントラCDを出してほしいんじゃ…(いつ見ても403ERRORでサイトが開けない)。

soundlibrary.pokemon.co.jp

YouTubeで全曲リストが公開されているのはありがたいです。一生非公開にせず、残して置いてほしい。何度でも聞きに来たい。

www.youtube.com

 

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良いところは確かにあるのに、ゲームとしての土台がぐだぐだ過ぎて、良かったポイントを評価するにいたらないのが、本当に残念に思います。楽しく、テンションのあがったところの話や思い出話を、もっとしたかったよ…。

 

■この出来で「面白かったです!」って言うヤツ何??

何言われてるかな、と思ってAmazonのレビューをちらっと見たら、「星5つ」が最多評価で、地獄かと思いました。出来の悪いゲームに、「出来が悪い」という評価を下されてないのはキツすぎる。

上位レビューが軒並み「星1」なのが、唯一の救いといった感じ。それにしてもこの星5の数は何なんだ?サクラでも雇ってんのか?と疑いたくなるレベルです。

www.amazon.co.jp

www.amazon.co.jp

 

Amazonのリンクを張りましたが、アフィリエイトはやってないし、新品を買うべき作品ではないので、購入しなくていいです。

 

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このゲームに星5の評価をする人、逆にいったいどんなゲームをやったら低評価をつけるのか気になります。「好きなゲームのリメイク作」なら、何が出ても高評価をつけるんですかね。好きなゲームがこんな雑な内容で”リメイク”されて、悲しいとかムカつくとか思わないんでしょうか??

 

どんな内容のゲームが出されても「いろいろ言われてるけど私は楽しいと思いました!」みたいな"ポジティブ"な言葉で擁護しようとするの、気持ちとしてはわかります。好きなものが批判されるのを見るのは嫌だしね。でもそういう"アンチネガティブワード"的な態度は、有害なポジティブさ(Toxic Positivity)の一種のような感じがします。

 

期待外れなら、期待外れだと言ってもいいし、操作しにくいとか、バグだらけとか、思ったらそれを感想として発していいんですよ…。「好きなゲームを悪く言いたくない」からと、ネガティブな感想を抱いたことを否定しなくていいんです…。

むしろ、ファンであるならばこそ、批判的な感想も述べるべきだと思います。どんなゲームを発売しても「楽しかったです(^^)」しかレスポンスが帰ってこないとしたら、そのゲーム(シリーズ)の未来は真っ暗でしょう。

 

「ゲームを出す」→「問題点を指摘される」→「改善してより良いゲームを出す」のサイクルが作れず、過去に積み上げた思い出と信頼だけで売ろうとしたところで、残るのは一部の熱心な"信者"くらいなもんでしょ。

こんな、ポケモンブランドに胡坐をかいた売り方でいいんですか?ポケモンにはこれからも続いてほしいので、今回みたいに雑にポケモンブランドを振り回すやり方には不安と警戒を感じます。

BDSPが「面白い」のは、『DP』が面白いだけのおんぶにだっこゲームなだけです。あとは懐かしさの思い出補正がデカいね。

 

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それと、「ネガティブな感想を見たくない」と思うのはわかりますが、「ネガティブな感想を言う(書く)べきでない」という考えの人がいるみたいで怖いです。

「批判的な感想を述べる」ことは一般市民の自由な行動の範囲内だし、「見たくない」という個人的な感情を「言うべきでない」という規範に拡大して他者にも求めるのは筋違いでしょう。

ダメなのは「誹謗中傷」や「人格攻撃」などです。作品への「批判・批評」は前置きなしで好きに発信されてしかるべきだと思います。そもそも、好きな(評価した)作品が批判されたところで、その作品が好きだったり、楽しんだ人間自身が否定されるものではないですし。

そんなに「ネガティブな感想を見たくない」なら、他人の感想を調べるのを一切やめるのをお勧めします。

 

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自分もポケモンを悪く言われるのは嫌なので、無意識のうちに悪い点から目をそらす傾向があるし、昔は特にそれが顕著でした。自分の場合いろいろあって、一般的な感想や印象とは異なる批判的な意見や感想を意識的に摂取することを続け、ようやく批判的な感想への耐性がつきました。

過去作との印象の比較は必ずしも公平でないことを踏まえても、今作は特に酷い出来だと思いますよ。

 

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今回はあまり炎上しているように見えない気がするんですが、もしかして、はっきりと批判してくれるファンが、『剣盾』におけるリストラの件(#BringBackNationalDex)でだいぶ減った感じあります??

何を出されても肯定的な感想ばかりが「ファンの感想」として目に付くようになると、その作品のファン全体に対する信頼がなくなるのでは、と不安です。作品に対して正当な評価が下されないのは、かなり不健全な状況だと思います。

今作は、ファンから怒られて当然の出来だと個人的には考えているので、同じように怒っている人が少ないと、かなり心配な気持ちになります。#BringBackNationalDexの際は、この件に怒りや失望を寄せている人が可視化されて、ポケモンの大切な部分を大切に思っている人がたくさんいてよかった…となったんですが…。

 

BDSPが初めて遊ぶポケモンのゲームになる人もいるだろうに、アレが「ポケモンのゲーム」だと思われるのが悲しい。「開発会社が違う」なんて言い訳にもならないです(どこが作ったかなんて気にしない・知らない人も多いだろうし)。

ダイパリメイク楽しんでる人もいるのに悪く言われてかわいそう…みたいに、批判意見を述べる人に罪悪感を抱かせるようなことをいう人もいるようですが、悪いのは批判されてしかるべきゲームを制作・販売した側であって、それを指摘する側は何も悪くないですからね…。

正直これがポケモン以外のゲームだったら、「バグだらけでウケる(笑)」とヘラヘラしながら楽しめたと思います。でもポケモンは自分にとってそういう存在ではないので…。ポケモンがしんどいと、自分もしんどくなるくらいには、ポケモンは自分の内に入り込んでいるので、本当に笑えない…つらい…。

 

ポケットモンスターシリーズをもっと大事にして

ポケモンの原点は『ポケットモンスター赤・緑』であり、このポケットモンスター〇〇』というタイトルのシリーズは、ポケモンの一番の核となる作品群です。今作BDSPを例外として、それ以外はすべてゲームフリークが開発を担っており、完全新作が発売される際には、「世代交代」としてファンの間で扱われています。

ポケモンといったらコレ、という存在が、ポケットモンスターシリーズなのです。なのにどうしてこんな出来になってしまったのか?本当にこの内容で出して恥ずかしくないのか??自分はファンとして、恥ずかしいしツラいし悲しくてしょうがありません。

 

「バグだらけのゲーム」が世に出ることは、ポケモン以外でもあり得ることだと思います。でも、ポケモンがソレをやるとは露にも思いませんでした。それも、スピンオフではなくメインで。どうやらポケモンを過大評価していたようです。

今作は「碌にデバッグをせず未完成のまま発売したゲーム」だとほぼ断定しています。この内容で「想定した通りの動作・完成度です」とか言われたら悲しすぎる。

 

今作で学んだのは、ポケモンはゲームのクオリティを担保するために発売延期をするという選択ができないということです。ゲーフリだか株ポケだか、どこがどのようにスケジュールの管理をしているのかは知りませんが、仮に発売延期の決定を下せる権限があるとしたら、このどちらかの会社の可能性が高いとみています。

そして、ポケモンはゲームのクオリティを軽視するということがわかりました。今後に発売されるゲームも、当初の発売日に開発を間に合わせることを優先して、半端な出来でリリースされることがあるんだろうな、と覚悟を決めておこうと思います。おいふざけんな。なんでこんな悲痛な思いをせにゃならんのか。

 

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同じ話の繰り返しになりますが、「バグ多いしいろいろ言われてるけど楽しかったです!」みたいな声にまどわされてませんように。悪いモノを悪いと言えない"ファン"に囲われると言うことは、作品の改善や向上から距離を取ることであり、すなわち衰退への道を進んでいることになります。

未完成だと受け止められるバグだらけのゲームを発売したことを反省して、金輪際、二度とこんなひどいことをしないでもらいたい。

 

今現在はこれで何とかなっているのかもしれませんが、今回のゲームは、確実に、ポケモンの作品やブランドにとっての汚点だと思います。何を出しても機械みたいに「楽しかったです!」としか言わない"ファン"だけが残るポケモンになってほしいのか?ポケモン昔から遊んでいる人も、昔遊んでいて久しぶりに遊ぶ人も、そして始めてポケモンを遊ぶ人も、誰もが率直に楽しいと思えるゲームの方がよくないか

ブランドネームと思い出補正と"信者"によるヨイショで売られるゲーム、なんとも哀れではないですか。

 

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バグだらけで発売されるゲームに対しては「大企業がゆえに発売延期のような大きな意思決定ができないのかな」という印象を持っていましたが、ポケモンもそれに該当するとは。『赤緑』を開発していた頃のインディーズなイメージを引きずっていましたが、ゲーフリも株ポケもとっくに大きな企業になってましたね…。

「より良いゲームを出す」という目標への、スケジュール変更などの柔軟性はとうに消えてしまっているんでしょうね…。わかりました。認識を改めます。とても残念です。

 

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思えば、配信直後に炎上して謝罪レター(第1回プロデューサーレター)を出したポケマスのほうがマシだったまであります。あっちはアプリゲーで、買い切りゲームとはいろいろ違うと思うので、単純な比較にはなりませんが。

昔と違って、買い切りゲームでも、あとからバージョンアップしたり、内容を追加できたりするせいで、「ちゃんと完成品を作ろう」という意識が低下してる可能性とかあります?確かにバグ修正が簡単になったのはいいことだと思いますが、後で修正する前提で発売するのはどうかと思います…。

 

■おわりに

ここに書き切れなかったさらに細かい感想が、進捗を記した過去記事にあります。ご参照ください。

 

今月は、ゲーフリ開発の『Pokémon LEGENDS アルセウス』が発売ですね。別にこれの後にダイパリメイク発売でも良かったのになぁ…。なんで発売延期を選択できなかったのかなぁ…。

この流れで『アルセウス』も酷い出来だったら、本当にもう…もう…って感じなのでダメです。期待値レベルを極限まで下げておくつもりですが、割と楽しみな気持ちもあって複雑…。

 

果たしてこんなにしんどい思いをしてまで『ダイパ』を復習した意味はあったのか。でもやっぱりこんな悲しいことは経験したくなかった…。ダイパ懐かしくて普通に楽しかった!という方向で笑いたかったです。

 

シンオウ御三家のイラスト

 

*1:最初のアップデートであるVer. 1.1.1(2021.11.18 配信)にて、殿堂入り後の要素が搭載されたり一部ゲーム内ムービーと演出が追加されている。リメイク作でありネタバレ防止の線も薄いため、開発が間に合わなかった内容を、アップデートで追加しているとみるのが妥当な判断だろう。【魚拓】『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』更新データ(Ver. 1.1.1)配信のお知らせ|ポケットモンスターオフィシャルサイト