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ポケモンユナイト共同開発の「TiMi Studio Group」が同性愛者差別的なツイートをしたらしい

株式会社ポケモンと共に「ポケモンユナイト」の開発に携わっている「TiMi Studio Group」が同性愛者差別的なツイートをしたとして、「kotaku」という英語のゲームニュースサイトにまとめられています。

kotaku.com

 

このことについて、日本語でまとめられた記事もありました。こちらの方が詳しく書いてあると思います。

automaton-media.com

 

「TiMi Studio Group」について

ポケモンユナイト」の開発に携わるゲーム開発会社であり、「ユナイト」の公式サイト下部にも、株ポケや「Tencent Games」などと並んロゴが記載されています。この2社との提携は、「ポケモンユナイト」が始めて克つ、唯一のゲームです。

ポケモンユナイトは、今年7月21日にニンテンドーSwitchで配信されたばかりなので、リリース直後から問題発生かよ…という感じです。

 

該当の差別ツイート

※訳などは記事冒頭で紹介した日本語記事からの引用。

発端は、「Can you say gay rights?(「同性愛者の権利」って言える?)」というリプライ(ネットミームらしい)に対し、「why? rights of heterosexual players are equally important.(なんで?ヘテロセクシュアルのプレイヤーの権利も平等に大事だよ)」と返したことと、これに対するwhat a disappointing reply.(なんて残念な返信だ)」というリプライに「go and ask any gay people if they are disappointed by being treated EQUALLY.(“平等”に扱われて残念に思う同性愛者がいるか聞きまわってみなよ)」と返したツイートになります。

その後、上記ツイートは削除され、下記のような謝罪ツイートがなされました。

If you happened to see some inappropriate remarks by me, here's what happened. I meant to say everyone is equal, coz i know how hard we have to fight to achieve it. But I screwed up in the expression. Sorry. I feel really bad for the mistake. Tks so much for reminding.

 

出典:https://twitter.com/timistudios/status/1423362024948502530?s=20

(閲覧2021年8月9日)

 

まず、きっかけとなったリプライは、「Black Lives matter」に対して「All Lives Matter」と言い出すのと同じような、現実に存在する不均等の無効化という点で、差別的な内容だったと思います。

異性愛者(heterosexual)が過剰に優遇され、ゲイを初めとする他のセクシャリティの人々が抑圧されているから、「gay rights」があるわけです。ヘテロはいつも「フツーの人」として認識され、異性愛者の悩みや困難は「全人類共通の悩みや困難」として処理されているこの世界で、「異性愛者の権利」など語りようがないでしょう。

ヘテロの権利」が持ち出されるのは、まるで「既にすべてのセクシャリティの平等は達成している」と思わせたい人々による印象操作を目的とした状況くらいでしか、現状はあり得ないんじゃないでしょうか。

よって、TiMi公式のリプライは、差別的で問題のある内容だったと思います。

 

ミームへの返信について

「そもそも公式にミームをリプライするのもよくない」みたいなことを言う人もいるようですが、これは差別発言の軽視と論点ずらしでしかないと思います。

まず「公式にミームをリプライすること」は、何も「道徳的に悪いことではない」はずです。問題視されるリプライがあるとすれば、それは差別発言や誹謗中傷などを含む場合が考えられますが、今回の「Can you say gay rights?」にはそのような問題点は見受けられないと思います。

「企業の差別発言」の問題には無関心な一方、「一般ユーザーがミームをリプライで送ること」の問題ばかり気になってしかたがないのであれば、倫理観が歪んでいるように思います。

 

あと、日本語の記事では「担当者の母語が英語とは限らない」という話をしていますが、英語が母語でなくともあの発言が問題なのは明らかだと思います。世界の大半の国や地域では異性愛至上主義がはびこっているのだから、どの言語であろうと「異性愛者の権利」などと不用意に発言したら問題になるのは目に見えてます。

問題は、英語のニュアンスなどではなく、「差別的な発言をしない」という企業のモラルやリテラシー教育の不足にあると思います。

 

てゆうか、そもそも公式へのリプライなんて無視すれば良いし、そのように対応している公式アカウントもたくさんあるわけだから(ポケモン公式とか)、Timi広報はネットリテラシーの教育ができないなら、最初からリプライを返さないルールで運用してればよかったのにと思います(過ぎたことですが)。

 

株ポケの対応

ポケモンの海外事業を担当する子会社の「the Pokémon Company International」は件の記事を出したゲームサイト「kotaku」に対し、「同社はあらゆるセクシャリティを尊重する。Timiの発言は支持しない。」などといった声明を送ったそうです。以下全文。

At The Pokémon Company International, we believe in a just and equitable world and that every person, employee, and fan has the unique skills, powers, and purpose to contribute to this common cause. As part of this, we celebrate the humanity of every individual, and fully support the LGBTQIA+ community.

Diversity, equity and inclusion are the foundations of our culture of belonging, and our core value of Integrity and Respect underlines the importance of treating people with respect and empathy to build an open and trusting environment.

These statements do not align with our beliefs, culture, or values and are fundamentally wrong. We’re working with our external partner to address the situation.

 

出典:https://kotaku.com/the-pokemon-company-company-actually-says-gay-rights-1847434624

(閲覧2021年8月9日)

 

とりあえず、迅速な対応をしたのはよかったと思います。問い合わせを行ったのが英語圏のサイトなので、日本の株ポケではなく、株ポケインターナショナルがそれに応答するのもわかる。

 

ただ、こうもはっきりと「LGBTQIA+コミュニティを支持する」と言っているにもかかわらず、ポケモン公式のつくる作品において、そのような態度が未だに示されていないことへの失望感も大きいです。

まあそもそも日本の株ポケの方が親会社であり、ゲーム制作も日本の会社なので(ゲームフリーク)、「声明」とゲーム内容に差があるのはわかりますが、逆にどうして「声明」においてなら、ちゃんと「性的マイノリティを支持する」と述べら得るのか不思議です。だってこの「声明」も、日本の株ポケがチェックするなり、もしくは文章の内容を考えた側かもしれないのに?

ゲイとして現実を生きている人がたくさんいることを知りながら、ゲイの人を排除した世界を創作するのはどういう了見なんでしょうか。まさか今の今までゲイの存在を知らなかったわけではあるまいし。

「BLM(Black Lives Matter)」の時も思いましたが、ポケモンの対応はどこまでも受け身で、周りの顔色をうかがいながら「あ、はい、ウチも差別に反対してます~」って言ってるよなと思います。

 

いいかげん、マイノリティへのエンパワメントをしていただけないでしょうか。登場人物を異性愛者で独占するな。男女二元論を強化するな。「声明」に恥じない作品づくりをどうか、よろしくお願いします。

 

 

*************

ちなみに、ユナイトの進捗ですが、ランクは相変わらず「スーパー」に留まってます。あと、どの持ち物を強化すればいいのかわからず、いろんなもちものが中途半端に強くなってる。課金した方がバトルに有利になるって、こういうゲームだとあまりよくないと思うんですが、仕様が変更する可能性はあるんでしょうか。

やっぱりゲーム自体は楽しくて毎日ちまちまデイリーミッションとかやってるし、MOBAでポケモンがどのような立場や存在感を示していけるのか、という期待もあるので、今回のようなことでゲームやキャラクターの信頼やブランドが損なわれるのはかなり心外です。

まあ、さすがに共同開発をする他社の広報リテラシー教育まではチェックのしようがなかったと思うし、ちょっと防ぎようがなかったのかなとも思いますが…。

 

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