2022年4月28日の新着グッズ情報に載った、同年5月14日発売の「Pokémon Garden Wedding」について。これのメインアートが微妙に工夫されているのが気になりました。
出典: 「Pokémon Garden Wedding」が、ポケモンセンターに登場!|ポケットモンスターオフィシャルサイト(閲覧2022年5月8日JST)https://www.pokemon.co.jp/goods/2022/04/220428_to01.html
【魚拓】「Pokémon Garden Wedding」が、ポケモンセンターに登場!|ポケットモンスターオフィシャルサイト
「ウエディング」がテーマと言うことで、2匹のピカチュウが向き合っているメインビジュアルが用意されています。このイラスト、ピカチュウのしっぽの先を花で隠すことで、ピカチュウの性別が分からなくなっているのが印象的です。『ダイパ』の時から、メスのピカチュウのしっぽの先のデザインがハート型に変更されているのですが、これは裏を返せばしっぽを隠せば容姿で性別の判別はできないわけです(※ダイパ以前は容姿で性別を判別する手段はなかった)。
どう見ても意図的に、しっぽの先を見えなくして、どのような性別の組み合わせのピカチュウなのか(女女or男男or男女?)わからない仕様になっています。これは、同性婚の合法化の声の広がりや、「結婚=男女」とは限らないよね、という昨今の流れをくんでいるとみて間違いないと思います。
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なんというかまあ、ほどほどに配慮してる感を出しているのが狡猾だなという印象です。この期に及んで「男女ペアのピカチュウを結婚のイメージで出す」のを続けるよりはマシですが、この内容で「性的マイノリティへの配慮もしっかり考えてますヨ!」ということになるのだとしたら(そのように受けとるファンや消費者がそれなりにいるとしたら)、それはそれで問題だと思います。
「結婚」のイメージに対して出されたビジュアルが「男女2匹のピカチュウ」から「2匹のピカチュウ」になったところで、配慮されている範囲はたかが知れていると思います。要は、配慮の対象が非常に限定的だろうということです。
ピカチュウが「2匹」の時点でモノガミー主義的だし、実際の商品に使われているアートにおいては、洋装(タキシード?)のピカチュウはオスだし、ドレスのピカチュウはメスになっているので、結局「男/女らしい格好」の再生産になってます。あとそもそも、ピカチュウにはオスorメスしかいない、という前提が男女二元論的です*1。
せめて「メスのしっぽのデザインを変えた」問題さえ無ければ、だいぶマシになっただろうに、この悪しき設定のせいで無駄に情報量が増えていて最悪…。しっぽの設定さえなければ、ピカチュウの性別を自由に解釈できたハズなのに、その解釈の余韻が消されているのが残念でなりません。早くしっぽの設定は消滅してくれ~~。
なお、デザイン改悪の問題点は下記記事で詳しく書いてるのでご参照ください。
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「わざわざピカチュウのしっぽを隠す」という「工夫」をするくらいなら、いっそその性別判別デザイン設定を消去したほうがずーーっとポケモンを良くできると思いますよ!「結婚=男女に限定しない」というアイデア(反異性愛主義)に気付けたなら、その先(反恋愛性愛至上主義・反モノガミー主義・反男女二元論主義)についても考えてほしいところですね。頑張れよ株ポケ。