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ゲーフリ、週休3日制を導入するんですか

 

ポケットモンスターシリーズ』の開発でお馴染みのゲームフリーク(ゲーフリ)が、週休3日制を導入するということがニュースになってます。

株式会社ゲームフリーク(東京都千代田区 代表取締役 田尻智)は、2022年4月より『選択式週休3日制』を導入しました。「育児・介護・看護」を目的として希望する社員が、土・日曜日に加えて1週あたり1日の休暇を追加取得できる制度です。

 

出典:【株式会社ゲームフリーク】『選択式週休3日制』を2022年4月より導入。|株式会社ゲームフリークのプレスリリース(閲覧2022年4月27日JST

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000046977.html

 

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「週休3日制」の導入、それ自体はいいんじゃないですか。「生存のため、労働に裂かなければいけない時間」はどんどん減らしていくべき(最終的にはゼロになってほしい)だと思います。

ただ、制度を利用するための条件の存在はあまり褒められたモノではないと思います。今回ゲーフリが導入する週休3日制は、「育児・介護・看護」を目的とするものらしいですが、このような制限を設けるのは問題があると考えます。

 

「育児・介護・看護」を目的とする『選択式週休3日制』の問題点

今回導入される制度は、下記のような条件・内容になっているようです。

・対象者
育児:小学生以下の子を養育する正社員
介護・看護:家族の介護や看護をする正社員
・制度の利用申請
平日の1日を休日として社員自身が選択
開始日は毎月1日、終了日は月末とする1ヶ月単位で利用可能
・所定労働時間
1日8時間×4日間=週32時間
・給与
通常の週休2日制と比較して基本給・賞与8割支給

 

出典:上記に同じ

 

「週休3日制」を利用できるのは、「世話する家族がいるひと」のみ対象となっています。これは「家族」という生き方への特別待遇になっていませんか。「家族を持つ生き方」にのみ施しが与えられ、ひとりで生きる人間を排除するのはなぜですか。

ゲーフリの家族主義的な"思想"*1を、このような制度を通して"押しつける"のはいかがなモノかと思います。

 

そもそも、週休3日を選びたいと思う動機は多様に存在します。例えば、何かしらの病気であったり、たとえ診断を受けていないとしても、体力的に週休2日で働くのが厳しいと感じている人もいます。週休3日の方が、より充実した人生になると考える人も大勢いるでしょう。週休3日を選びたい人は誰でも選べるようにするべきです。

 

ゲームフリークはこれまでにも時差出勤制度、1時間単位で取得可能な有給休暇制度、在宅勤務制度を設けてきました。『選択式週休3日制』の導入によって、より柔軟に個々の事情に合わせた働き方が実現できます。
一人ひとりが自分の意思で働き方を選択できる、自律型のモノづくり集団になりたい。この制度には、そんなゲームフリークの新しい働き方に向けた想いが込められています。
従業員が可能性を最大限に発揮できるよう、常に進化を続けてまいります。

 

出典:上記に同じ

 

「従業員が可能性を最大限に発揮できるよう」と書かれていますが、今回の制度内容を見るに、ゲーフリの考えるここでの「従業員」は、「家族で生活する人」しか想定されていないですよね。独身で生きる従業員に対しては「可能性を最大限発揮する」ことを端から期待していないんですね。それか「世話する家族がいなんだから、全部自分でなんとかしろ」という自己責任論的な考え方も感じます。

 

生存のための労働を減らす段階的な手段としての週休3日ならよかったんですがね、これではただの「家族」優遇です。(より賢く快適に)生き残りたければ家族をつくれという抑圧でもあり、特定の生き方(身内の世話は身内が行うべき、異性と結婚して子供を作るべき)への誘導であり、一人で生きる人に対しては罰をあたえるかのように支援から排除される結果になっています。

 

また、給与については、「週休2日の8割支給」だそうですが、週休2日より少ないのはいいとして、もらえる金額どのくらいかによって評価が変わるところですね。「週休3日の給与」が、一人で十分生活していける金額になっていて、「週休2日の給与」はそれより贅沢できるくらいの金額設定なら問題ないと思いますが、果たしてどうなんでしょう?

 

まとめると、ゲーフリが今回導入する「週休3日制」は、先進的な取り組みに見えて、保守的な家族観や生き方を優遇することになっており、どちらかというと悪い取り組みだと思います。会社は、支援の対象を恣意的に選択して生き方の優劣を付けるようなことをするべきではないと思います。ゲーフリは、本当の意味で"すべての"従業員が可能性を発揮して働けるよう、「週休3日制」希望者の対象をすべての従業員に解放して、よりよい労働環境になるよう努めてほしいと思います。

 

まあ結局のところ、かなりの数の人が「どんな家族形態で生きるかは個人の自由だ」と表向きには発信しておきながら、「結婚しない・家族の世話をしない生き方はワガママ」だと内心では思っていることが、このような制度の出現に現れているのだと思います。

「ひとりで生きるのは自由だが、子供を育てたり家族を介護している人はそれだけ社会のためになることをしているのだから、それなりの恩恵を受けられるのは当然。」とか思ってるんでしょ。「ひとりで生きる人は、世の中ため人のためになる重要な仕事(育児・介護)をしていないのだから、週休3日制を利用できないのも致し方ない」とか思ってるんでしょ。

「世の役に立つ」かどうかに関わらず、たとえ"役に立たない"生き方だとしても、十分に生きていける仕組みになって始めて「どの生き方を選ぶのも個人の自由」になるのではないでしょうか。そのためには、やはり無条件にすべての人に対して労働時間・休暇の選択の自由が与えられるべきだと思います。

 

ポケモンSV』開発は過労にはなってないということ?(本題)

「週休3日制導入」と聞いて真っ先に思ったのが、ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(SV)』の開発は大丈夫なん??ということです。

今年2022年は、1月に『PokémonLEGENDSアルセウス』が発売され、同年冬に『SV』の発売が控えています。あくまで素人的な印象ですが、1年に2本も新作ゲームを出すのはかなり重労働なのではないかと思います(もちろん、複数のゲームを同時進行で、何年も前から開発を進めているんでしょうがそれにしても)。

週休3日制が導入される(できる)ということは、従業員の休暇やスケジュールの管理はちゃんとできるんだぞ、というアピールとして受け止めましたが、どうでしょう。

それとも、週休3日制導入という限られた労働時間でできるクオリティでつくりました、少々粗があっても勘弁ね、という免罪符にでもするつもりでしょうか??(BDSPトラウマ)

 

何度も同じことを言いますが、「SV2022年発売」と聞いたときの印象は「新作のポケモンが遊べる嬉しさ<<<<<<<<<新作発売が早すぎる不安」という感じで、心配な気持ちの方がずっと大きいです。てゆうかはっきりいって、もっと遅く出してほしい。

「最高の完成度を目指して何年も丁寧に時間をかけて開発したポケモンのゲーム」を遊びたいです。あくまで印象論ですが、現在の新作発売スケジュールは、このような目標を掲げているとは到底思えないです。『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール(BDSP)』をあのクオリティで発売してしまったこと、「ゲーフリ(BDSP開発はゲーフリではないが)は完成度の低いポケモンシリーズを出すことができる」という既成事実ができてしまったことも、この不安に拍車をかけています。ツラい。

 

「週休3日制導入」を言い訳にしての発売延期ワンチャンありますか??発売を延期させることでゲームのクオリティが上がるならそうしてください!!『ゼル伝BroW続編』発売延期のニュースを見たときにも、発売延期の選択ができるジャンルが羨ましくて、それができないポケモンに対して悲しい気持ちになりました。

 

様々な事情や状況を含めてもやはり「新作ゲームを発売する頻度を落としてクオリティを重視するべき」だと思う派だし、これからもその立場からもの申していきますのでよろしくお願いします。

 

*1:ゲーフリが意図してこのような思想を持っているというわけではなく、現在支配的な家族主義思想を、無意識にゲーフリも内面化しているだろうということ