びとうろうぽ記

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ポケモンシールドクリア 感想

発売から随分時間が経ってしまいましたが、2019年11月15日(金)発売の「ポケットモンスター シールド」をクリアした感想。ネタバレあり。※エキスパンションパスについては触れていません。

www.pokemon.co.jp

 

ざっくりいきます。

 

ストーリなど

・主人公の見た目選択画面はこれまでと変わらず、性別を表記せず「あなたの写真を選んでください」でよかったです(攻略本とかだと相変わらず男/女表記だけど)。マサルとユウリ*1を上下ではなく左右に並べるのもまあいいと思う(上下関係を想起させにくいし)。

主人公を選ぶ画面のスクショ

・主人公の着せ替えは、男女の垣根をなくしてほしかったです。ちょうど『どうぶつの森』がそうしているように、髪型も服装も、いつでもどれでも選べるようにしてくれたらよかったのになと思いました。

・ストーリー中のムービーにおいて、主人公の表情がそこそこ動いていてよかったです。『サン・ムーン』で基本笑顔が張り付いていたのはどうかと思っていたので。

・ジム戦に力を入れていたようですが、カメラワークや音楽などで盛り上げていてかっこよかったですね。スポーツ観戦のようなイメージでしょうか。

・ライバルやジムリーダーなどのキャラクターもみんな魅力的でよかったです。なんか一癖あったり主人公を気にかけてくれたりみんな好き…。モブキャラも含めて肌の色が多様なのは、もはや当然なのでいちいち褒めませんが、いいと思います。

・ライバルは3人いましたが、それぞれに成長や物語があってよかったです。3人もいるのかよ、と最初は思いましたが、それぞれが印象に残るよいキャラでした。

・ホップはメインのライバルのようで、最終的に伝説のポケモンを仲間にしたのでびびりました。これまでゲームメインシリーズにおいて、女性ライバルってほぼいなかった(男主人公を選ぶと女主人公が出てくるパターンくらい)ので、時々ポケモンバトルをして競い合うマリィというキャラクターが登場してうれしいです。ビートくん、ピンクでした。フェアリータイプのジムリーダーやトレーナーが女性ばかりでどうなん、と思っていたので男性のフェアリータイプトレーナーが増えてよかった。

・あくタイプのジムリーダーは今作のネズが初ですが、開会式に出なかったりダイマックスを使わなかったり、主流のルールや規範から外れているという点であくタイプらしくありながら、基本的な倫理観はしっかりしている感じがよかったです。

・エール団、「○○団」という名前だけど別に悪役というわけではなかったですね。ちょっと妨害とかはしてたけど。ずっとやせ形しかいなかったしたっぱのデザインにぽっちゃりが登場したのはよかったんですが、なぜ男性のみぽっちゃりで女性はやせ形にしてしまったのか…。あといつの日かしたっぱ全員女性、みたいな団体が出てきてほしいんですがまだかな(昔のしたっぱは男性のみで構成されていたことがあるわけだし)。

・リーグカードおもしろいですね。自分で編集できるのもそうですが、登場キャラクターのカードがよかった。本編では語られないエピソードが語られていて読んでいて楽しかったです。

・ストーリーで印象的だったのは「大人は子供を守るもの」ということが繰り返し出てきたところです。主人公やライバルたちは「子供」で、ダンデやソニア、ジムリーダーたちは「大人」として、子供を見守り、応援する流れが多かったように思います。これは基本的なことでありながら、現実には守られていないことも多い(大人が立場や権力を行使して子供を搾取するケースは今もいろいろある)わけですが、フィクションの中だけでも「ちゃんとした大人」を出したのは感心しました。

・今作のストーリー上の敵ボスはローズでしたが、彼の立ち位置はちょっと不思議に思いました。「1000年後のエネルギー問題のために、決勝戦を中止する」ことについて、「中長期的な問題解決のためにできるだけ早く手を打つ」という考えは環境問題を想起しましたが、気候危機は1000年どころかターニングポイントまで10年を切るくらい切迫した問題なのでちょっと違うし、「目先の利益を優先する」のは現実にはローズのような既得権益を持つ、どちらかというと年配者が多いのでローズさん何者?と思いました。

 

ポケモンたちなど

・序盤から新ポケモンがわんさか出てきたのはよかったです。新作やってる感でワクワクしました。

・野生のポケモンの出現方法は、ランダム要素を残したシンボルエンカウントみたいな感じなんですね(しばらくよくわかっていなかった)。ポケモンに追いかけられるのはちょっと怖いけど、ポケモンがそこにいる感が増したのは良いと思います。

・カロスでもそうでしたが、伝説系のポケモンが少ないなと思いました。準伝がいない分、一般の新ポケモンが増えた感じ?

・アローラから続いておなじみのリージョンフォームで新ポケモンの実質的なかさ増し、いいと思います。それにしても「リージョンフォームでない方」を一言で呼ぶ呼び名がほしいんですが、今回も出てこなかった…。「これまでに発見されていた姿」も長いし、「ふつうのすがた」も変。ガラルの人たちにとってはリージョンフォームがスタンダードなんだろうから、「ガラルのすがた」を「普通じゃないほう」にすると、ガラル地方をほかの地方より下位に置くことになるため、「ふつう」呼びは不適切なので。

・伝説のポケモンはやはりかっこいいですね。昔はストーリー中に捕まえたポケモンを手持ちに入れることが多かったのですが、今作は殿堂入り後のエピソードにてパッケージの伝説ポケモンゲットでびっくりしました。

・発売前の情報でも伏せられており、パッケージポケモンの代わりに殿堂入り前にゲットできるネタバレポジションのムゲンダイナですが、ネットにつないでプレイしていたらちらちら下画面に映っているのが目に入って笑いました。ドットだからよくわからなかったのは幸いですが、ストーリ進度が遅い人間的にはビビります。

ポケモン図鑑のモーションがもっとあったらよかったなぁと思いました。倒れるところとか、いちいちバトルして確認するのもちょっと面倒だし。

・新ポケモンで一番好きな子はモスノウです。むしタイプのポケモンが好きなんですが(ほかのタイプのポケモンも好きだが)、蛾っぽい触覚とかがかわいくて好き。

・ストーリーをクリアした時のパーティはこちら。最初にメッソンを選んだのでインテレオンと、パルスワン、アーマーガア、ワタシラガ、イオルブ、マルヤクデの6匹です。毎度恒例、新作をプレイするときのパーティは新ポケモンで固めています。

旅パのイラスト

 

要素・システム

・新たなバトルシステム「ダイマックス&キョダイマックス」ですが、これは結構好きかも。発売前は、デカくなるって単純な…と思いましたが、どのポケモンでもダイマックスできる点と、持ち物がいらないという点がこれまでのメガ進化やZ技と異なり、ストーリー中に気軽に実行できたのがよかったです。手持ちポケモンには基本、お小遣いアップアイテム(おまもりこばんとか)を持たせているので、持ち物が必要なシステムだとストーリー中に試す機会があまりなく寂しい思いをしていましたが、今回は気軽に新要素を楽しめてよかったです。

・自分よりずっと強い(HPが大きい)ボスキャラと戦う戦闘スタイルは、ほかのRPGでは一般的ですが、ポケモンの場合は同じような条件でのバトルになるためレベル上げを頑張っちゃうとワンパンで4タテ5タテしちゃうこともありました(自分がレベル上げをきちんとしてから進める派なので特に)。ダイマックスポケモンはこちらのレベルを上げてもそう簡単には倒せないので歯ごたえのある難易度になったのもよかったと思います。

 ・ワイルドエリアは画面酔いが不安だったのですが、思ったより酔わなくて大丈夫でした。いずれミニマップとか手に入るのかと期待していたのですが、ないようですね。ただでさえ天候によっては視界が悪くて方向が分からなくなることも多いので、マップはほしかったです。

・ワイルドエリアに出現するポケモンの種類が多く、特殊な方法で進化するポケモンとかがそこらへんを歩いているのでびっくり。進化させる手間が省けるのは楽でいいですが、ワイルドエリアのワイルドさがヤバくなりますね。

・エンディング後のワイルドエリアの★5マックスレイドバトルが勝てなくてキレそうだったのですが、パーティのレベルが上がったら勝てるようになりました。相手のとくせいによっては厳しかったりもしますが、一人でもクリアできる難易度に一応はなっているようでよかったです。

・今作はダンジョンらしいダンジョンがなかったように思いました。森や洞窟で迷子になったり、建物の中を無限にさまよったりということがなく、ちょっと歩いたらすぐに目的地についたりして拍子抜けしました。先の見えない中で、いったん戻るか先に進むか回復アイテム使っちゃうか迷いながらダンジョン攻略をするのも好きだったのでちょっと寂しい。

・「技レコード」ってちょっと洒落てますね。昔の技マシンはすべて1回きりの使い捨てだったので、それを「レコード」という古い媒体の名前でもって再登場みたいな?それにしても、昔の技マシンはストーリー中に手に入る数に限りがある上に使い捨てだったことを考えるとずいぶんと便利な世の中になったもんだと思いました。

・ピカブイ(LGPE)から引き継いで、どこでもボックスを参照できるのは楽ちんでよいですね。あと、スイッチのホーム画面からゲームを始めた時「つづきからはじめる」みたいな画面を経ずにゲームが始まるのも時短で便利。

・キャンプは複数版ポケパルレみたいな感じ?ポケモン同士が自由に遊んだりしていてかわいい。

・だがカレーライス、お前はダメ…。これの食材を考えたり採用したりした人、絶対ポケモン嫌いでしょ。ヴルスト(ソーセージ)やハンバーグはなぜか「誰かの遺体で作った可能性」を排除していないし(培養肉や植物肉だと明記すればいいのに、あえてポケモンを使用している可能性を残している)、しっぽやホネ、タマゴなんかは擁護のしようがないです(しっぽは抜けてもすぐ生えかわるとか、現実の”産業動物”の実態を見るになんの免罪符にもならないのは明らか*2)。そういう露悪的な態度を面白がる気持ちは、自分もそいういうところがあった(ある)のでわからなくもないですが、公式がこんなひどい扱いをするのはダメでしょ。許さん。

 ・サンムーンのロトム図鑑といい、今作のロトミやアーマーガアタクシーといいポケジョブといい、ポケモンを「利用する」システムが盛りだくさんなんですけど、時代と逆行してない??「労働」はもう、人でもポケモンでもなく、ポケモンデザインのロボットとかの機械にやらせておいてもよかったんじゃないですかね…*3

 

その他

・本編とは関係ないですが、発売前の情報開示が少なめだった(体感)のはとてもうれしいです。体験版もなかったし。これからも(この先新作があるかわからんが)そうしてくれたらありがたいです。

・発売前に出された、「今作にすべてのポケモンは登場しない(過去作に登場したポケモンのうち、リストラされるポケモンがいる)」という発表に対し「#BringBackNationalDex(全国図鑑を返せ)」という抗議が主に海外勢を中心に広がっていました。スピンオフ作品において登場しないポケモンがいるのはよくあることですが、「ポケットモンスター」シリーズは第7世代までずっとすべてのポケモンに会える場所だったので、正直かなりショッキングな発表でした。制作に時間がかかるのなら、発売日を遅らせてもいいから全ポケモンを出してほしかった。ただ自分の場合は、このポケモンに会えなきゃ嫌!という特別な推しポケモンはいないし、ポケモンのゲームが出るならどんな内容でも買う人間なので不買には参加しませんでした。

・これについて、ゲームを「不買すること」も「不買を呼びかけること」も正当な市民の権利なのに、運動に対して「めんどくさい人たち」などと呼んで腐したり嫌ったりしている人たちがそこそこいるようだったのが少し気になりました。「私は不買しません」だけなら問題ないですが、「不買を呼びかける奴ら」に対する嫌悪感を表明する人が少なくない数いるようなのは不安になります。公式のやること出すことすべてを肯定して喜んで受け止めてこそ正しいファン、それが受け入れられないならほかに行けばいい、みたいなゼロイチ思考ではなく、(誹謗中傷は別ですが)公式に対する不平不満や批判的な言説に対して反射的に拒否せず、うまく受け入れたりスルーしたりできるようになりたいものです(自戒を込めて)。

・ところで今作のサウンドトラックは発売されないのでしょうか??(2021年2月現在)エキスパンションパスの第2弾もすでに配信されていて、音楽も一応出揃ったのでは?

 

終わりに

・フツーの人々の人間中心主義がポケモン世界構築にも染み込んでいることに自覚的になると受け入れられない部分はありますが(カレーの食材とか)、それ以外の人種・ジェンダーについてはまあまあ気をつかえているようなのでそこまでストレスなく遊べるし、そのうえでポケモンはみんな魅力的で面白いキャラクターもたくさんいてよかったです。

・もうすぐ(2月27日)ポケモンデーですが、何か重大発表はあるかな…。順番的にダイパリメイクがずっと期待されていますがどうだろう…。個人的にはソードシールドをあと10年くらいじっくり味わい続けるのでも構わない派です(エキスパンションパス第3弾とかを出してくれても嬉しいけど)。

 

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〈更新履歴〉
【2023年3月15日JST】無駄な■を消しました。目次を追加しました。カテゴリー「ゲーム」を追加しました。Litlinkのバナーを追加しました。

*1:主人公のデフォルト名。「男/女主人公」と呼ばないためにも名前で呼びます。

*2:産業に組み込まれている動物に対する扱いは、生産性重視の過密飼育や品種改良、定期的な廃用処分(殺処分)などが一般的である。

*3:ポケモンに労働させることの問題点は、パッと思いつくものでも、人間同士のように労働したい/したくないの明確な意思確認ができないこと、もし職場が劣悪な環境だったり不当な扱いがあった場合でも、ポケモン自身がその事実を誰かに伝えたり告発したりできないこと、ポケモンは別に人間のために働かなくても生きていける(野生ならそのまま人の介入なしに自立しているし、人のもとに生まれたとしても伴侶動物のようにただそこに生きているだけで終生世話されて生きる権利があるはずである)ことなどが考えられる。