『ど田舎うまれ、ポケモン GOをつくる』
著者:野村 達雄
発売日:2017年07月19日
読み終わったので感想……。
ポケモンだいすきクラブで紹介されていたので買いました。正直、どのような内容の本なのかあらかじめ確認しておらず、「ポケGOをタイトルにした本……。流行に乗じたか……?」という警戒心がありました。
だいすきクラブの紹介では、「自伝本」と書いてありました。また、書籍紹介ページの関連タグには、「自己啓発/ビジネス」「趣味/実用 」とあります。要は「成功者による、ボクはこうやって成功しました!」という本でした。
個人的に自己啓発本が苦手なくらいもあって、自己啓発本として読むことはオススメしません。ただ、一番興味深かったのは、当時のゲーム界隈において、どのようなゲームが主流であり、影響力を持っていたのか。そのゲームをプレイした当時子供だった人が、ゲームから好奇心や知識を得て、新たなゲーム制作者になっていく、という歴史を垣間見ることができたところです。
つまり、この本はどのように読めばいいのかを一言で表すと、「ゲーム好きがゲーム制作者になった話~90/00年代Ver~」といった印象。
偶然、この本を読む前に読んだのが、『田尻智 ポケモンを創った男』(宮昌太郎 田尻智、株式会社メディアファクトリー、2009 *1でした。この本では、田尻氏がインタビューに答える形で、その経歴やポケモンのゲームが作られていった過程が述べられています。
今回読んだポケGOの本と田尻氏の本は共に、「ゲーム好き」で「ゲームの仕組みへの関心を抱き」「ゲーム制作側」になった話があります。しかしながら、田尻氏は1965年生まれ、野村氏は1986年生まれと、育ってきた年代が違うため、遊んできたゲームや環境が大きく異なります。彼らが子供だった頃、どんなゲームが出て、流行り、影響を与えたのか、その世代間ギャップが面白いなと思いました。田尻氏の本を持っているのなら、それと読み比べて、「ゲーム制作者の経歴話」として読めば面白いのではないかと思います。
あとは、ポケモンGO開発までの経緯として、Googleのエイプリルフールの話が、ドラクエの8ビットマップから、ポケモンの『グーグルマップポケモンチャレンジ』まで。そしてそこからポケモンGOの開発・サービス開始に至る開発秘話的な話も少しありました。
ポケGOゲーム制作の裏側!みたいな情報のひとつとして、ある程度は参考資料になりそうだなと思いました。あくまで自伝本なので、そういったページは多くないですが。
正直、自伝本ではなく、ポケGO制作の裏側を徹底解明!みたいな内容で出してほしかった派……。